ナポリの王室工芸
ミュージアムのミニチュアコレクションの一区画は、キリスト降誕シーン作成を表現したナポリの民族アートに捧げられました。そこでは、地中海沿岸の人々の日常生活を描いたシーンが、18世紀のナポリの人々の姿を伝えています。
キリスト降誕シーンを作成するナポリの民族アートは、15世紀終わりの聖家族の描写に由来しています。地中海沿岸でのキリスト降誕シーン作成の全盛期を支えていたのは、ブルボン家のカルロス3世です。王の芸術形式は、裕福な市民や修道院、教会へと伝えられました。
ミュージアム3階の展示は、ナポリのキリスト降誕シーン作家、マリオ・カプアノの何ヶ月にも渡る慎重な職人技によって作成されました。15㎡を埋め尽くす作品は、建物、人形、そして100点以上の小物などによって、18世紀のナポリの日常生活を忠実に表しています。1840年以来このカプアノ家はキリスト降誕シーンを作成することに情熱を注いできました。一家の作成したキリスト降誕シーンには、サン・ジョヴァンニ・ロトンドにある巡礼教会やスペインのフアン・カルロス王のために作成された重要なものも含まれます。