デニム - スタイリッシュで実用的、そして永遠
ブルーの布地と歴史
2020年10月17日 – 2021年4月5日
多くの人にとってデニムは基本的なワードローブの重要アイテムかもしれません。誰でも必ず1着はデニムで出来たものを持っているでしょう。今日、デニムは単なる洋服の布地ではありません。デニムと芸術は関係のないものだと思う人もいますが、決してそんなことはありません。世界中のアーティストたちがデニムをまぎれもない素材として扱っています。今回の特別展示では、この人気の布地の多様性と歴史をご紹介します。17世紀終わりの絵画 The Master of the Blue Jeans を初めデニムのジーンズ、ジャケット、バッグ、靴、家具そして日用品から彫刻、イラストまでご覧いただけます。イアン・ベリーによるシークレットガーデン、ミラノアート&イベントセンターのパンサーズなども含まれています。
特別展示の写真
世界中で最も多く使われている素材のその興味深い歴史はたぶんイタリアから始まりました。アメリカで金鉱労働者や映画スターたちがデニムを使い始める前のことです。毎日履いているジーンズの素材は誰が発明したのだろうか、どうやって作ったのだろうかと考えたことはありませんか。面白いことにイタリアとフランスとの間でどちらの国で誕生したかの論争が続いています。今では世界中で最も多くの人たちに使われている素材・デニムは労働者のための布地から有名人の最新ファッションアイテムとなりました。
デニムは果たして何からできているのでしょうか、そしてその名前はどこから来たのでしょうか。デ・ニームなのかジンズなのか?歴史家たちはアメリカ以外の二国の素材がジーンズの発祥ではないかと考えてきました。南フランスの町、ニームからデニムという名前が生まれたのではないかという説と、イタリアの町、ジェノバのコットン生地がジェノバのフランス語読みでジンズとなったのではという説があります。しかしどちらにも歴史的な証拠はありません。
実用的で丈夫な作業用ズボンとしてブルージーンズが誕生して100年以上になります。当時の人々には想像もつかなかったこと、予定もしていなかったことでしょうが、デニムのズボンはファッションアイテムとなりました。もちろん毎年新しいスタイルがデザインされてきましたが、金鉱労働者やカウボーイが履いていたジーンズで、今でもずっと変わらないことがあります。それは履きやすく丈夫であるということです。またブルージーンズは単にトレンディであるだけでなくカルト的なアイテムでもあります。歴史上さまざまな場面でステータスシンボルとしての役を果たしてきました。今日では仕事をする人とその上司双方の標準的な服となりました。国家元首やモデル、役者たちもこの快適なズボンを身につけてカメラの前に立ちます。そして今日ジーンズは男性と女性の両方が、ほとんどどんな場面でも身につけることができます。
今回125点あまりが展示され、ご来場の方々に魅力的な素材のあらゆる面をご覧いただけます。今回の特別展示はハーグのバーチャル靴博物館のリザ・スヌックさんのご協力をいただきました。ヨーロッパのたくさんの博物館、プライベートコレクション、世界中のギャラリーや作家さんからお借りしたものを数多く集めることができました。今回の展示はバーゼルの当館でのみご覧いただけるものです。