コルセット
ベルエポック(良き時代)の代表作その他
2019年4月19日~2019年10月6日
コルセットにまつわる神話はいくつもあります。4世紀もの間、コルセットは女性の美しさの象徴、魅惑のアイテムのひとつと考えられていました。それまで、憧れや噂の的となったり、ファンタシーを抱かせたり、多くのアーティストに影響を与えたような下着は存在しませんでした。
特別展示の写真
展示会では、1775年から1925年までの60点あまりのコルセットをご紹介します。中には大変珍しい物や特注のアイテム、美しい刺繍の施された大胆な色のシルクサテンのアイテムなどもあります。パリのNuits de Satinのコルセットコレクションのほとんどが未使用のものです。優雅で精巧な下着の数々を間近でご覧いただけます。
コルセットはその当時の流行やデザイナーの技量そしてメーカーによって、形やスタイルやサイズが異なります。19世紀当時、コルセットは常に主要な下着と考えられていました。ヨーロッパの古くからの伝統として、くびれた腰は広告や写真でさらに強調されてきました。どんな階級の女性にもウェストを細く絞ることが奨励され、時には健康を犠牲にすることさえありました。医学的な反対意見も通用しませんでした。女性をより美しく見せるために、この流行を遮ることはできなかったのです。
ファッション史を通して、コルセットは女性らしさと美しさを慎重に強調するために仕えてきました。20世紀そして21世紀になってもそれは変わりませんでした。1990年代になると、コルセットは再び社会に登場しました。ミュージックやファッション界のモデルたちがコルセットの活用の場を広げたのです。Beata Sieviは質の高いクチュールのコルセットを特注で制作するスイスのコルセット作家です。彼女のコルセットはオリジナルのデザインであることはもちろん、素材も上等でフィット感や仕上がりも最上級です。コルセットの展示ショーで、モデルたちがコルセットをジーンズやパンツスーツに合わせて登場します。今日のコルセットは、自分自身や自分のスタイルを見せることを恐れない女性が身に着ける下着と言われています。
Úna Burkeのような人気デザイナーもコルセットを復活させました。展示会ではアバンギャルドスタイルの革製コ ルセットも紹介されます。Úna Burkeの革製品は瞬く間に有名になり、当然のごとくリアーナ、レディガガ、マドンナなど大物スターのお気に入りとなりました。
Patricia Krummacherのはかなく繊細は作品からは、コルセット界の新たな局面を見出すことができます。やなぎ、コケ、草木、花びらなどでおぼろげで短命な作品が制作されました。つかの間の若さと美を表すように。
今回の特別展示は世界で唯一の展示会で、このバーゼルでのみ開催されます。
